9月10日に開催された大統領選討論会の結果を受けて、テイラースイフトさんはハリス副大統領を支持するとInstagramにて投稿されました。
ドナルド・ジョン・トランプ前大統領とは以前より確執があり、11月の大統領選に大きく影響がありそうです。
さて、今回はそんなテイラースイフトさんとトランプさんの確執について調べていこうと思います。
お互いにどんな政治的な思想があるのか、そしてどのような違いがあるのかをわかりやすく解説していきます。
スウィフトの政治的思想
テイラー・スウィフトさんの政治的思想は、進歩的でリベラルな傾向が強いと言えます。彼女は特に人権、平等、LGBTQ+コミュニティの権利、女性の権利、人種差別の問題に関して強い関心を持ち、これらの問題に対して積極的に声を上げています。
LGBTQ+の権利擁護
スウィフトさんは、LGBTQ+コミュニティの権利を積極的に支持しています。2019年には、「You Need to Calm Down」という楽曲でLGBTQ+の権利を擁護し、LGBTQ+の人々への偏見を批判しました。また、同年のMTV VMA(ビデオ・ミュージック・アワード)で、LGBTQ+コミュニティの権利拡大のための請願書に署名するよう観客に呼びかけました。
選挙への参加呼びかけ
2018年、スウィフトさんはテネシー州の上院選挙で初めて政治的に公然と支持を表明しました。彼女はInstagramに投稿し、共和党候補のマーシャ・ブラックバーンに反対し、民主党のフィル・ブレデセンを支持しました。スウィフトさんはブラックバーンがLGBTQ+の権利や女性の権利に反対する投票を行ってきたことを強く批判し、フォロワーたちに選挙に参加し、正しい判断をするよう呼びかけました。この投稿の後、18〜29歳の若者の有権者登録が急増したと言われています。
人種問題と社会正義
2020年、ジョージ・フロイドさんの死をきっかけに、スウィフトさんは警察の暴力と人種差別に強く反対する立場を取りました。彼女はトランプ大統領のツイート「略奪が始まれば、銃撃が始まる」に対しても厳しく批判し、「あなたは白人至上主義と人種差別の火を煽り続けてきた」と述べ、彼を強く非難しました。
フェミニズムと女性の権利
スウィフトさんは女性の権利擁護者としても知られており、特に女性が自分のキャリアや選択において平等に扱われるべきだという主張を行っています。彼女は音楽業界における男女差別や、性的ハラスメントに関しても声を上げています。2017年には、ラジオDJのデビッド・ミューラーとの訴訟で勝訴し、性的暴行の被害者としての勇気を示しました。
トランプの政治的思想
ドナルド・トランプさんの政治的思想は、主に保守的、ナショナリズム(アメリカ・ファースト)、ポピュリズムの要素を含んでいます。彼の政治哲学は、国内政策と外交政策の両方でアメリカの利益を最優先にするという点で一貫しています。具体的な政策や思想は以下のようなものがあります。
アメリカ・ファースト(アメリカ優先主義)
トランプさんのスローガン「アメリカ・ファースト」は、彼の外交政策と国内経済政策の基盤です。彼は貿易交渉でアメリカの利益を最優先し、特に中国との貿易戦争を行いました。2018年には、中国からの輸入品に高い関税を課し、アメリカ企業と労働者を守るための保護貿易主義を打ち出しました。
移民政策
トランプさんの移民政策は非常に厳格でした。特に、南部国境に壁を建設するという主張が象徴的です。彼は不法移民がアメリカの経済や治安に悪影響を与えるとし、2017年には「移民・税関執行局(ICE)」の取り締まり強化や、ドリーマーと呼ばれるDACA(幼少期に不法移民としてアメリカに連れてこられた若者)の法的地位を取り消そうとしました。
経済政策と税制改革
トランプさんは経済成長を重視し、企業や富裕層に対して減税を行う政策を推進しました。2017年の「トランプ減税法案」は、企業の法人税率を35%から21%に大幅に引き下げ、中小企業や個人に対しても減税を行いました。この政策は、短期的には経済成長を促進したものの、長期的には政府の財政赤字を拡大させるという批判もあります。
エネルギー政策と環境規制の緩和
トランプ政権は石油や石炭などの化石燃料産業を支持し、パリ協定からの離脱を決定しました(2017年)。彼は環境規制を緩和し、エネルギー産業の成長を優先しました。この方針は、気候変動問題に対するトランプの姿勢が保守的であることを象徴しています。
外交政策と軍事力の使用
トランプさんは、軍事力を強化し、NATO加盟国に対して防衛費の増額を求めました。さらに、イラン核合意からの離脱(2018年)や北朝鮮との直接対話など、トランプ独特の外交政策を展開しました。彼の外交政策は、従来の外交慣習に挑戦する一方で、アメリカの軍事的、経済的優位性を強調するものでした。
テイラー・スウィフトとトランプの政治的思想の比較
項目 | テイラー・スウィフトの思想 | ドナルド・トランプの思想 |
経済政策 | 格差是正を重視し、中低所得者層や社会的弱者の権利保護を支持。 | 富裕層や企業への減税、自由市場を重視した政策。財政赤字拡大を容認。 |
移民政策 | 多様性を尊重し、移民や難民の権利保護を支持。 | 厳格な移民政策、国境の壁建設、DACA撤廃の試み。 |
LGBTQ+の権利 | LGBTQ+の権利を積極的に擁護し、法的・社会的な平等を支持。 | 伝統的な家族観を重視し、LGBTQ+の権利には消極的。 |
環境政策 | 環境保護を重視し、気候変動への対策を支持。 | 環境規制の緩和、パリ協定からの離脱、化石燃料産業を推進。 |
女性の権利 | 女性の権利を積極的に擁護し、フェミニズムを支持。特に、職場における平等やハラスメントの問題に関心。 | 女性の権利には積極的に取り組んでいないが、中絶制限の強化を支持。 |
外交政策 | 人権や平和主義を重視し、国際的な協調を支持する立場。 | 「アメリカ・ファースト」外交。貿易戦争やNATOの防衛費分担要求など、従来の国際秩序に挑戦。 |
人種問題 | 人種差別に強く反対し、ブラック・ライブズ・マター(BLM)運動を支持。 | 黒人や移民に対して厳しい姿勢を取ることが多い。 |
テイラー・スウィフトとトランプの確執の歴史
ドナルド・トランプ元大統領とテイラー・スウィフトさんの確執は、主に政治的な立場の違いから発展しました。スウィフトさんは民主党支持者であり、社会的公正やLGBTQ+の権利、人種差別問題などについて積極的に発言してきました。一方、トランプさんは共和党員であり、彼の政策や発言がしばしばスウィフトさんの価値観とは対立するものとなっています。
2018年
テネシー州上院選挙が転機でした。テイラー・スウィフトさんは当時のインスタグラム投稿で、共和党候補のマーシャ・ブラックバーンさんに反対し、民主党候補のフィル・ブレデセンさんを支持することを表明しました。スウィフトさんはブラックバーンさんの投票記録に対して強い懸念を示し、彼女がLGBTQ+コミュニティや女性の権利に対して敵対的な姿勢をとっていると批判しました。この投稿は当時、スウィフトさんが長年政治的に中立を保ってきたため、非常に大きな話題となりました。
これに対して、ドナルド・トランプさんは「テイラー・スウィフトは私の音楽が好きではないようだ。彼女の音楽を今は25%ぐらい少し好きじゃない」と軽く皮肉を込めてコメントしました。
出展 https://www.bbc.com/japanese/45793906
2020年
ジョージ・フロイド事件に関連して、スウィフトさんはトランプさんが暴力的な抗議行動に対して「略奪が始まれば、銃撃が始まる」とツイートしたことに強く反発。スウィフトさんは「あなたが大統領になる前から、白人至上主義と人種差別の火を煽り続けてきた。そして、私たちはもう見ているだけではなく、11月にあなたを落選させる」とツイートし、トランプさんへの非難を公然としました。
トランプ大統領のツイッター、「暴力賛美でルール違反」だと異例の警告表示がつけられた。ミネアポリスの黒人差別への抗議デモが暴徒化したことについて、「略奪が始まれば、銃撃も始まる」と市民を脅す。いま、アメリカは大統領選挙の真っ最中。白人優越主義を利用する人間が大統領という現実は重い。 pic.twitter.com/0jQUy6xobM
— 諸岡浩太郎 (@memento_moreau) May 30, 2020
After stoking the fires of white supremacy and racism your entire presidency, you have the nerve to feign moral superiority before threatening violence? ‘When the looting starts the shooting starts’??? We will vote you out in November. @realdonaldtrump
— Taylor Swift (@taylorswift13) May 29, 2020
「あなたは大統領在任中ずっと白人至上主義と人種差別を煽ってきたのに、今さら道徳的優位を装いながら暴力をほのめかすとはどういうことですか?『略奪が始まれば、銃撃が始まる』ですって???私たちは11月の選挙であなたを落選させます。」
このように、二人の確執はスウィフトさんの進歩的な立場とトランプの保守的な政策が原因となり、社会的・政治的な問題に関連して顕在化しています。
まとめ
テイラー・スウィフトさんとドナルド・トランプさんは、異なる政治的思想を象徴する存在であり、彼らの確執はアメリカ社会における対立の縮図とも言えます。スウィフトさんは平等、人権、多様性を重視する進歩的な立場を取り、特にLGBTQ+や女性の権利、気候変動の問題に対して強い関心を持っています。一方でトランプさんは、アメリカ・ファーストを掲げ、移民政策や貿易において保守的かつナショナリズムに基づくアプローチを取ります。二人の対立は、単なる個人的なものではなく、アメリカ国内での保守とリベラルの対立を反映しており、その動向は今後も注目され続けるでしょう。
この確執を通じて、政治的な信条や価値観の違いが個々の発言や行動にどのように表れるのかを考えることができ、アメリカ社会が直面している分断の根本的な要因を理解する助けとなります。